4年ぶりにX68000にふさわしい最強レトロPCモニターを作り直す

3Dプリンター/DIY

目次

ことの発端

2020年・・・
このブログを始めるきっかけとなった3Mode対応のディスプレイモニターを制作しました。
15/24/31KHz対応! X68000にふさわしい最強レトロPCモニターをつくる(1)
4年間テレワークのお供として活躍してくれているだけでなく、この制作を通じてサークル・パンタロンの立ち上げのきっかけや、様々なイベントで皆様にご覧いただくなど、思い出深いアイテムの一つです。
当初このディスプレイがほしいと仰る方や、同人アイテムの販売会社様から制作依頼の打診など頂いていましたが、制作難易度がとにかく高く、現実的ではありませんでした。
しかし、現在私が利用している「Crearity K1-MAX」というプリンタの造形サイズギリギリを使うことで、17インチモニターをリブートさせることが出来ました。
つまり、今回の制作で一応量産できるようになったということです。

外観

おっさんが写っているのは気にしないでください;

2020年に制作したモニターは当時としても分厚いベゼルに、無骨で堀の深いデザインなど「SHARPさんが2000年頃にX68000用のモニターを作ったらどうなるか?」というコンセプトでデザインしました。
今回は2015年頃と「約10年前に出したらどうなるか?」というコンセプトでデザインしてみました。
ベゼルレスではないものの今風に薄く、必要性はないもののCZモニターのシンボルだと思っているフロント面のカーブや、側面のスリットなどを継承しています。

LED部には光造形で制作したクリアパーツを組み込むことで、実機のようなデティールを目指しました。
リモコンの受光部も光造形で出力し、クリアを吹くことでそれっぽさを出しています(もちろん電源が入ると光ります)
わたしはパテを盛ったり研磨したりすることが嫌いなので、出力品をできるだけそのまま使えるようにアイテムを作っています。

造形サイズによる制約はありましたが、思ったよりも良いデザインになったと思います。
(配布の際はSHARPロゴのデカールは付属しません)

スペック

画面解像度:1920-1080(最大)
対応周波数:31/24/15kHz
アスペクト比:16:9・4:3を選択可能
インターフェース:HDMIx1・VGA(D-SUB9Pin)x1・アナログオーディオ出力x1
オーディオ:ステレオスピーカー内蔵
電源:12V

Cocoparモニター互換なので大半が映りますが、これまでX68000用ファンタジーゾーンの24kHzは映りませんでした。
しかし最近になって、一部の対応モデルのみとなりますが、コントロールボードのファームウエアを書き換えることで、ファンタジーゾーンの24kHzも映せるようになります。
ファームは どむやまさん(@mcDomDomBurger) という方がカスタムしており、当モニターのコントロールボードもカスタムしていただきました!

この通りバッチリです!!
どむやまさん、ありがとうございました!

内蔵スピーカーに関しては、前作と同じダイソースピーカーが入らなかったため、薄型のものを採用しています。
少しでも良い音がでるようにと、CZ-697Dのものよりも大きな磁石のものを使いました(ハウジングも工夫しています)

チルト機能

初期型は角度固定でしたが、今作はチルト可能です。
スタンドは無段階で角度設定できますが、バランスよく立つ角度での利用が必要です。
CZ-697Dと仕組みは同じですが、スタンドと本体の間にガスケットを挟むことで、固定力を大幅にアップさせることができました。

VESA100対応

最近は空間の有効利用ということで、モニターアームやスタンドを使う方も多いということで、VESA100を導入しました。
内部にナットを仕込んでいます。
ネジサイズはM4で、モニター内部へは10mm以上差し込まないようにご注意ください。

ステレオスピーカー

おっさん対策考えなきゃ

X68000ユーザーなら誰もが憧れた(であろう)、コアラのようにステレオスピーカーを取り付けられるようにしました。
スピーカーそのものは、過去に制作したX68000風スピーカーを流用しています。
ダイソーの300円スピーカーをX68000のスピーカーにリメイクしてみた(1)
スピーカーのステレオミニプラグをCZ-617Dへ接続すればモニターとしての音をグレードアップ出来ますし、もちろん実機に接続することも可能です。
このコアラスピーカーは仰角を調整することもできるので、ステレオ感を調整する事が可能です。

おっさん(ry

一方で、当時から言われていたこととしてコアラ付けは「邪魔である」という声もありました、私もその通りだと思います。
ということで、モニターの上部にも固定できるようにしました(パンダスピーカーと命名)

更に、ITX68000シリーズをお使いの方用に、コアラ取りけしつつモニター横にITX68000を配置できる、オフセットパーツも用意しました。

取り付けは、マウンタ部品をスピーカーへ取り付けてからモニターへネジ止めします。
モニター内部にはスピーカー固定用のナットが仕込んでいるため、しっかりと固定できます。
3Dプリンタで生成したアイテムなので、ネジはあまりキツく締めすぎないように気をつけます。


電飾パーツ

今回始めてKiCADを勉強しまして、電飾パーツをつくりました。
現在発注しているため、今回のところはスクショで失礼します。

じゃじゃーん

たくさん並べてみました!

あとがき

基本的なモデリングは2日、出力時間は全部で32時間ほど。
前作は出力だけで11.5日かかってましたが、これは3Dプリンタの速度が上がっただけでなく、無駄な出力を極力減らすためのモデリングスキルを駆使できたのも大きいです。
あっという間の4年間でしたが、なかなかの進歩だと思っています。
このモニターは液晶とコントロールボードの部品代だけで18000円、かつ内蔵スピーカーユニットもちょっとお高いものを採用するなど、原価をかなり無視した構成としています。
まぁおっさんが道楽で作っているものなので、これくらいしゃーないですよね(笑)
内部の作りもかなり洗練できたので、まだまだ当分利用できそうです!

おしまい

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